私の製作記


1999年5月羽田空港にて撮影(長男、長女と)

プロフィール
 

昭和30年6月9日生まれ
和歌山県有田郡在住。
 

コクピット自作への道
 

出会い

 私のコクピット自作は747-400のコクピットシミュレータともいえるPS1との出会いです。インターネットでFS関連のページを見ていて、たまたまPS1のページを覗きました。なにか面白そうだったので購入しました。皆がずっと待っていたすごいソフトだったということはあとから知りました。これは本当にすごいソフトでした。マニュアルも非常に秀逸。これを見ていると実際の747-400コクピットの操作が非常によくわかりました。感激した勢いで実機のコクピットに関するテキスト、マニュアル、ビデオなどを買いあさりました。そこで初めて解ったこと、それは、パイロットは飛行中は殆どヨークを触らずにグレアシールドのつまみを「グリグリ」まわしているという事実でした。それ以後、何とか自分でも「グリグリ」したいという欲望が起こってきました。でも普通のロータリースイッチの「ガチャガチャ」とはすこし違う感じ。たまたま雑誌でALPSにプッシュスイッチ付きのロータリーエンコーダの広告がのってました。これなら「グリグリ」「プッシュ」が出来る!と直感して購入。

 その頃、どうも海外の有名なコクピットはEPICというものをつかっているらしいということが解りました。まあなんとかなるかと思ってR&R社に直接注文(出力用基板、7セグメントLED表示よう基板も注文)。約2週間後にアメリカからEPICカード群が送られてきました。なんと料金後払い。コクピットビルダー仲間の信頼関係をみるようで感激しました。その上、そのマニュアルには、私が持っていたALPS製のロータリーエンコーダ用の回路図までもが載っていたのです!
 
 

第1弾:グレアーシールド

 1997年夏よりいよいよグレアーシールド部分の製作に着手。このときは主にPS1用と考えていました。サイズもわからないし、まあ試作品のつもりで大まかなサイズでスタート。ただし、747-400のグレアシールドのすべてのスイッチを盛り込むことを第一に考えました(もちろんPS1がグレアシールドのすべてのスイッチを扱うからです)。結果的に、バンクアングル設定つまみ以外はすべて実装するようにしました。しかし、いざ始めてみると特に7セグメントLEDまわりの配線にうんざり。EPICカードも何度かうまく動かないことがありました。その都度、R&RのRalph氏に直接e-mailし、解決しました。e-mailは本当に素晴らしい通信手段です。うまくいけば夜寝る前に送ったmailの返事が、翌朝にはアメリカから届いているということもありました。インターネットがなければ私のコクピットは失敗に終わっていたことでしょう。

 いつもよくばった「目玉」を考えており、今回、文字も背後から光るようにしようと考えました。このためEL板を買ったり、表面のパネルも、透明シートに印刷して文字部分が光透過性あるように工夫しました。しかし、なかなか満足できる結果が得られず、あまり時間をとるのももったいないので、とりあえず今回は延期としました。いまではどんな安い車のダッシュボードでも実用化されていることができず、残念でした。

 完成間近に、将来をみこしてプッシュスイッチを光るように仕様変更。キートップに穴をあけてLEDを埋め込みました。なんとか気力を奮い立たせ、1998年春に完成。PS1を「グリグリ」操れるという当初の目的は達成しました。ただ、PS1ではデータを取り出せないため、起動の最初にPS1の値とグレアシールドの表示を一致させる必要がありました。また、プッシュスイッチについているLED表示のデータもPS1から取り出せないため、現在のオートパイロットのモードを確認できず、時々PS1自体の画面を見る必要がありました。でも、「グリグリ」「プッシュ」ができるだけで大満足でした。VNAVのインターベンション操作で、ALTノブを「グリグリ」「プッシュ」するとマニュアルどおりに機体が動くというのは感激。プロシージャートレーナーとして充分実用になりました。

 FS98でも動くようにEPICのプログラムを書いたのですが、FS6IPC.dllを使えばFS98からデータが取り出せるとの事。いーちゃんのNavDashはこれをVisual BASICで実現しているらしいことがわかりました(今のNavDashはC言語です)。意を決していーちゃんにe-mail。親切にデータの取り出し方を教えてもらいました。仮想グレアーシールドをDelphiで作成し、そのデータをEPICに送りました。EPICにデータを渡す方法もEPICマニュアルに書かれていました(C言語で)。私はTurbo Pascal系でプログラミングをしていたのでC言語はよくわかりませんでしたが、なんとか試行錯誤の上でFS98のデータ(ALT,HDG,V/S,SPD)を私のグレアシールドに表示することができました。これは本当に感激しました。いーちゃんThanks! FS98上のパネルのグレアーシールドの数値をマウスで変えると、自作コクピットの7セグLEDの表示がシンクロして同じ様に変わっていく! 感涙ものでした。

 EPICそのものはDOSで動くインターフェースですが、Peter Dowson氏がWIndowsで動くEPIC95というドライバーをフリーウエアとして発表されました。これを使わせてもらえばFS98の殆どの設定がEPICから操作できることがわかりました。アナログも15チャンネルまでつかえるし、スイッチでも数百のFS98の設定が可能となりました。アナログで4つのスロットルを別個に操作する道も開けました。さらに、FS98のデータも殆ど取り出せるようになりました。この時点で私のコクピットはFS98中心になっていきました。グレアシールドのプッシュスイッチにも念願のLED表示ができるようになり、オートパイロットモードがわかりやすくなりました(ただしFS98のオートパイロットは実機とかなり違って貧弱でした)。

 なんとかプログラミングを完成させ、1998年7月の関西FSパーティーに自作グレアシールドを持っていきました。どれくらい注目されるか不安でしたが、予想以上に好評でした(会場に搬入するときはすごくはずかしかった、、)。ここで多くの仲間に出会いました。同じ趣味を持った仲間と語り合う楽しさも知りました。当然次の予定も聞かれました。ここで来年のパーティーまでに747-400用のスロットルボックスを作ってくると公約しました、もちろん自分の気力を維持させるために。
 

第2弾:スロットルボックス


 関西FSパーティーから帰ってから、自作第2段としてスロットルボックスの製作が始まりました。私は機械工作があまり得意ではないため、一番悩んでいた部分でした。まず実機の情報をインターネットを通じて集めました。777用の2スロットルレバーにするか747-400の4スロットルレバーかかなり迷いました。2レバーの方が格段に工作が楽ですが、やはり初志貫徹で4レバーとしました。やはりなにか「目玉」がほしいと考え、モータライズを計画しました。具体的にはスロットルレバーをオートスロットルに合わせて自動に動くようにする、スポイラーレバーは、ARM位置ならタッチダウンと同時に手前に動く、ついでにフラップレバーも動かしたら面白いかなと思いました。実機ではフラップレバーはコパイロットが操作し、決して自動には動きません。ただ、キャプテンが「フラップアップ」と叫ぶとまるで透明コパイがいるようにフラップレバーが勝手に動くというのも面白いかなと。そのために、電動ボリュームも買い込みました。いろいろアイデアを練っている時が一番楽しい時期です。

 4連スロットレバーの仕組みを考えるのは苦労しました。まず、適当なギアセットが見当たりません。なかなかギアボックスなんて売っていません。4連ですから、特に第2、第3レバーはスペースが狭いです。なんとか田宮模型のレーシングカー用の樹脂製ギアセットを使いました。でも軸の径も合わなくて一苦労。かろうじてギアボックスが出来上がりました(精度はガタガタ)。

 続いてリバーススラストレバー部分。ここが一番の難所。なんといってもタッチダウンですかさずリバーススラストレバーを引き上げるのを夢見てこのスロットルボックスを作るのですから。さらにスロットルレバーの電動化を考えていたため、できるだけ軽量にする必要がありました。その上、なんとか4つのレバーがあたらずに別個に操作できるようにしたかった。幸い、あまり大きな失敗もなくまずまず満足できるレバーができました。

 グリップもいろいろ素材を探しましたがなかなか適当なものを見つけられませんでした。仕方なく、木の丸棒をヤスリで削ってなんとか見られる形にしました。レバーに付いている黒いカバーは軽量化のため、バルサ材を削って作りました。フラップレバーもノッチをカチャカチャと移動するようなしっかりしたものを作りたいのですが、電動化との兼ね合いもあり、まだ実現していません。

 さてモーター化の実動テスト。残念なことに、スロットルレバーは重いため、電動ボリュームではトルクが不足してスムーズに動かすのが困難でした。まして4本のレバーを同じように動かすのはかなり困難。ここであまり時間を取っては完成が大幅に遅れ、FSパーティーに間に合わなくなるため、泣く泣くスロットルレバーの電動化は延期。スポイラーとフラップレバーは軽いため、何とか実用的に動きました。

 スラストボックスの外枠は木製。当初表面のパネルはアルミ板で作ろうと思っていましたが、なかなか平面を作るのが困難で挫折。そのとき、銀狐さんがアクリルで素晴らしい767用のスロットルを発表。これを見て、初めてアクリル板を使うことを決めました。使ってみるとアクリル板は非常に工作が簡単なのにびっくり。容易にまっすぐに切断できるし、専用セメントを使えば簡単にひっつくし。なやんでいたレバーの切欠き部分も含めて、結構楽にパネルを作ることができました。
 
 パネル上のFUELなどのスイッチもできるだけ本物っぽく見せるようにしました。FUELスイッチの黒いノブは、魚釣りにつかう丸い「浮き」を使いました。もちろんレタリングもできるだけ実物と同様にしました。幸運なことに、パネルの色、つまり艶消しのボーイングカラーに近い色をホームセンターで見つけました。「メキシカンサンド」という色の吹き付け缶です。これで色を調合する必要がなくなり大変助かりました。

 実際にEPICに接続してFS98でジャンボを飛ばしたところ、ちゃんと、着陸した直後にスポイラーレバーが手前にスルスルと動きました。感激!! スポイラーレバーは、実機と同様に、ゴーアラウンドに備えて、第一エンジンのN1が再度45%を越えると自動的にDETENT位置に戻ってスポイラーが格納されるようにしています(実機は第3エンジンのN1もモニターしているらしいが省略)。

 EPICカードはアナログインプットの入力曲線も自由に変更できます。これを使い、できるだけ4つのスラストレバーの特性を一致させるようにしました。

 なんとか1999年の関西FSパーティーに間に合うことができました(やはり会場に運び込むときははずかしい)。だんだん運搬量が増えてきており、配線も膨大となっており、会場での接続がうまくいくか不安でしたが、幸運にも接続成功。ただし、やはり予想通り、車の振動でいくつかのネジは緩んでしまっていました。嬉しいことに、前回以上に好評で、たくさんの方に見ていただきました。やはりフラップレバーの自動化が最も好評でした。ただ、スロットルレバーが軽すぎるとの助言をいただきました(軽いのはモーター化のためだったのですが)。

 さて、次の目標、「来年にはセンターペデスタルを持ってくる」とまたも公約してしまった。
 

第3弾:センターペデスタル 

 センターペデスタルには7セグメントLEDがたくさん使われており、その配線をどうするかが一番の問題でした。当初プリント基板をエッチングして自作するつもりでした。しかし、いざパターン図を(コンピュータ)で書いてみると、非常に細かい線が必要で、挫折。ちょうどそのころ、日本橋のパーツショップで素晴らしいものをみつけました。それはちょうど7セグLEDが5桁ならんで一体化されているものです。それもアノードコモン(EPICはアノードコモンのみ使用可能)。ちゃんと中でそれぞれのLED間の配線はされています。これで配線の作業量が激減しました。本当にいいものを見つけたものです。超ラッキー。実際のCOMradioは6桁ですが、まあ、FSの世界はいまだに5桁ですから、まあ、5桁で妥協。
 

 センターぺデスタルの第一の目的はCOM radioの周波数を「グリグリ」「プッシュ」で設定できるようにすること。もちろんスタンバイ周波数をもっているのは最低条件。でも、やはり「目玉」機能欲しい! 「目玉」機能として、実際のCOMradioパネルと同様に、プッシュスイッチでチャンネルを切り替えられるようにしました。管制通信用としてVHF-L,VHF-C,VHF-Rの3チャンネルを実装。FS98/2000ではCOM radioは1チャンネルしかありませんが、プッシュスイッチで切り替え、あたかも3チャンネルのCOMradioを実装しているような操作が可能となりました。たとえばVHF-Cに目的空港のATIS周波数を設定しておくことも可能となりました。もちろん各チャンネルにそれぞれスタンバイ周波数を装備。

 747-400ではVOR局はCDUからの入力のみで、VOR局を設定するパネルはありません。FS98/2000ではクラシックタイプの飛行機をとばすこともあるため、COM radioパネルから設定できるようにしました。ちょうど、実機COMパネルにはHF、AMのプッシュボタンがあるため、これらのボタンにVHF2チャンネル、ADF1チャンネルを割り当てました。さらに、VHF1はcourseもパネルから設定できるようにしました。これで1台のCOM radioですべての通信設定が出来るようになりました。同じようなCOM radioパネルをセンターペデスタルに3台実装。3台独立して操作できるようにしました。結果は大満足!ただしプログラム量大幅に増え、今でもEPICのプログラム容量ぎりぎりとなりました。EPICのプログラムは2000行を超えています。

 もうひとつの「目玉」はCDU。CDUのために以前よりジャンクの5インチCRTを買っていました。とりあえずこれを内蔵し、まもなく出るいーちゃんのNavDashバージョン3のCDU部分を使わせてもらおうと考えてました。ただ、キーパット入力をどうするか決めかねていました。そのころ「シラッティーコマンダー」で有名なEnrico Schiratti氏がコクピットビルダーに最適なPFD、CDUを発表(これは有償販売で、後にProject Magentaと呼ばれるアプリケーション群になった)。EPIC95もこのPFD、CDUとの連携を高めてバージョンアップ。私のシステムにも最適の環境が整いました。マルチPCシステム(現在3台稼動)とし、Peter Dowson氏のWideFSをつかってPC間でデータをやりとりできるようになりました。おかげで無事、センターペデスタル内の5インチCRTでCDU表示が可能となりました。いったんビデオS信号に変換しているため、あまり鮮明ではないものの、やはり雰囲気はバッチリ。さらに、キーパッドもレタリングしてイイ感じ。

 あとは実機と同じようなパネルをいくつか追加するだけ。一番スイッチが多いのがオーディオパネル。これは音声の入出力の設定をするパネルですが、FSではそのような細かな設定は不可能。そこでアドベンチャーのコマンドのショートカットキーにすることにしました。ProFlight98は素晴らしいアドベンチャー製作ツールですが、飛行中にこちらから送るコマンドが多く、かつShift、Ctrlキーを併用するため、操作性はよくありませんでした。とりあえずProFlight98用のコマンドをこのパネルに割り当てることにしました。オーディオパネルは3台ありますが、並列入力としました。バックライト付きのプッシュスイッチを多用したため、ペデスタルに賑わいがでました。このパネルから、VOR,ADF局のモールス信号も聞けます。

ここまでが2000年1月15日現在の状況。
あとはオートブレーキ、パッセンジャースイッチなどを追加するだけ。でも、いままでは裸の基板むき出しのまま。今風に言えばスケルトン状態。これから、2000年の関西パーティーまでに表面のカバーパネルを作成しなければならない。殆どが四角の穴を必要とするためどうしたものか、、、、、先が思いやられる。。。。。間に合うだろうか。
 

[2000年7月13日 追加] 

 2000年7月の関西FSパーティーに間に合わせるよう、センターペデスタルのパネル作りをはじめました。関門は、殆どが四角い穴ということ。丸い穴ならどれほど簡単だったか、、、、 まあ文句を言っていてもはじまらない。少しづつ穴をあけるしかない。目標は1日ひとつでも穴をあけること。「チリもつもれば山となる」と信じて、、、、
 実際穴をあけ始めると、思ったより楽にあけられることがわかりました。「案ずるより生むがやすし」。パネルは2mm厚のアクリル板を使用しました。アクリル板は本当に便利です。容易に直線にカットできるし、表面は平らで、アルミ板みたいにベコベコにはならないし、ヤスリ、リーマーなどで簡単に穴を大きくできるし、専用接着剤できれいに貼り付けられるし、塗装しやすいし、、、  欠点とすれば、割れやすいことくらいでしょうか。熱に弱いことも欠点ですが、熱を加えると容易に変形できますから、これも長所でしょう。
 本当に毎日少しづつ、穴をあけていきました。まず4mm程度のハンドドリルで穴をあけ(あまり太すぎるとわれやすい)、リーマーで穴を大きくし、あとは四隅を角ヤスリで削れば、ほぼ四角の穴があけられます。あとは平やすりで仕上げるだけ。特に四角い穴が密集しているところは、割れないように丁寧に仕上げました。一番の難関はCDUパネル。これはなにしろ穴が多い。なにしろいボタンが70個近くもある。幸いそのうち12個は丸いボタンでしたが、、、、。さらに真中に大きな穴をあけなければならない。最後の最後に割れたりして、、、。何とか穴をあけ終った。よくみるとあまり揃っていない、でこぼこ状態。まあ塗装すればなんとかごまかせるだろう。
 次は塗装。スロットルボックスの章でも書いたように、ホームセンターで見つけたスプレー塗料はボーイングカラーにそっくり。それもつや消し。ふきつけすると、途端にパネルがりっぱに見えてきます。このころの段階は楽しいですね。仕上げはレタリング。これも白いインスタントレタリング(なかなか手に入りにくいですが)を使えば思ったより簡単。レタリングをすればパネルは見違えるようになります。穴のデコボコなんて気にならなくなります。レタリングがはがれないように、もう一度上からつや消しクリアーで吹き付ければ完成。

 だんだん佳境に入ってきます。スケルトン状態であったペデスタルにパネルを取り付けていきます。できるだけ実際のような立体感を出すため、ネジは敢えて大き目のものを使用。
もちろん設計図もなしに作っているから、微妙にサイズがずれたりします(いつものこと)。そこは現物合わせ。無事すべてが取り付けられました。ペデスタルの外側にもベルト状にアクリル板を取り付け、リアルさが増しました。最後の仕上げはロータリースイッチのノブ。今まで買いためていたノブから適当なものを選び、白色に塗装しました。これは純白ではなく、クリーミーホワイトという名のスプレーでした。この色がいい感じ。ごくわずかクリーム色をしていて、実機と同様の色でした。

 ほとんど完成し、整理をしていたら、ジャンク箱のなかに、以前買っておいた緑色のLED(100個で300円)が目に付きました。このとき瞬間にひらめきました。たしか実際のオーディオパネルには緑のLEDがいっぱい付いていたことを。早速テストしてみると、なんとこのLEDは3mmの穴にパチンと入り込みます。急遽オーディオパネル(合計3枚あります)に穴をあけ、LEDをはめ込み、実際と同じように一部を光るようにしました。これでリアリティが格段にあがりました。なんて運がいいのだろう!

 ついに完成!!

 改めて見てみると、われながら惚れ惚れする出来でした。大きさもほぼ実寸大。色も最高。よくぞ独力でここまでできたものです。
「ここまでやってこれた自分を褒めてあげたいです」という気分でした。カンチューハイがうまい!

 さっそくホームページを更新して写真を載せました。この日のためにデジカメも買っていました。FS仲間に紹介したところ、早速世界中の皆さんから賞賛の言葉をいただきました。
    My goodness! It looks absolutely incredible! My compliments, really astonishing..
    I looked at your pedestal and I have to say that it looks very good!
    The centre pedastal looks great. Very impressive well done.
    That is an absolute work of art!!!
    Your're absolutely incredible..   simply superb craftsmanship!!
    I am amazed!!! Your Pedestal is unbelievable!
    !!!!!!! GOOD GRIEF !!!!! HOW !! I can't believe the realism man!
    うわ?っ!すごいっ!ちょ?かっこい?!リ・ア・ル!!!う?ん、さすが!・・・・・・・・・!!!!

苦労したかいがありました。でも、これだけ褒められると、グレアシールドがちゃっちくみえてきました。近いうちに実寸大で作り直す予定です。

次はいよいよセンターパネル、アナログゲージも実現させる予定です。すでにネタは仕入れています。

(以上2000年7月13日追加)
 

オートスロットル(2000年5月21日追加)

 昨年はオートスロットルはやむなく一時断念しました。しかしなんとしても実現したいと思っていました。motoさんに相談し、さっそく良いアイデアを教えてもらいました。
軸をギアードモーターで動かし、その回転をスリップ機構を介してレバーに伝える方法。問題はスリップ機構だが、ワッシャーの間にナイロンワッシャを入れればうまくいくとのこと、それも、ナイロンワッシャーはお弁当入れなどに使われるタッパーのふたが最適とのこと。早速日本橋のパーツ店でギヤードモータを購入。747−400はもちろんスラストレバーが4本あるからモーターも4個購入。購入後日本橋の食堂で昼食をしながら、どのように4つのモーターを内臓させようかと思案。そのときフッと気づきました、普通はオートスロットルは4本同時に動くだろうから、4本も別々に動かさなくても、4本のレバーに貫通している軸そのものを動かせばモーターひとつでいけそうだということを!! これだと4本のレバーの速度差などを気にする必要もなく、さらによいことには今の配線や構造をあまり変更せずに実現できそうだと気づきました。

 翌日からプロジェクトを変更してスラストボックスの改造に踏み切りました。まず、スラストボックスをバラバラに分解。分解だけで1日は終了。いよいよギヤードモーターの内臓であるが、フラップレバー用の電動ボリュームと位置がどうしても重なってしまうことがわかりました。このためフラップレバー用のボリューム部分の位置を変更することにしました。そしてこの際、もうひとつの懸案であったフラップレバーまわりも充実させることに決心しました。今までは単にレバーを前後させるだけでしたが(これはフラップを電動化していた為でもあるのですが、、)、やっぱり実機みたいに1段ずつガチャガチャとレバーを引き上げながらセットしたい。アルミ板、アルミ角材、コイルスプリングなどを使ってなんとか完成しました。実機の写真ではフラップ1と20のポジションになにか突起物がある。いろいろ調べて、これはレバーが一度に行き過ぎないようにしているストッパーだということがわかりました。その構造がよくわからなかったのですが、車を運転しているときにフッとわかりました。後日、実機のフラップレバーを見る機会がありましたが、基本的には私のと同じ構造でした。

 スラストレバーは以前の予定通り、ギヤードモーターで軸を回転させ、ナイロンワッシャーをスリップ機構として4本のレバーを動かすようにしました。結果は大成功。電圧を加えると4本のレバーがそろって前進し、フルスロットルのポジションにくるとうまくスリップ機構がはtらきました。さらに、レバーを動かす重さもナットの締め方次第で自由に設定できます。

 あとはFSと連動させるようにEPICのプログラムを変更。TO/GAスイッチやFLCHボタンを押してTHRモードになるとフルスロットルの位置に、低高度にむかってFLCHボタンをおしてRETARD(IDLE)モードになればスロットルレバーはアイドルの位置に移動します。SPDモードでは、エンジン1のN1値に応じてレバーが前後に微妙に動きます。ごく最近スラストレバー位置もEPICで取り込むことができるようになりました。まあ、N1値で十分うまく動いていますからそのままにしています。なにはともあれひとつの夢がかないました。助言していただいたmotoさんに感謝します。
 
 
 

正面パネルとジェットライナーヨーク 

 
[2000年10月1日 追加] 

 2000年7月の関西FSパーティーへの出展が終わり、自宅でまたシステムを組み立てなければならない、なんとも面倒な仕事です。ふと部屋をみるとそこはほとんど何も置いていません。テーブルがあるだけ。ここでひらめきました。「そうだ! 今が正面パネルをつくる絶好のチャンスだ!!」 ちょうど良い機会でした。正面のテーブルを横に移動させ、正面にアングルで台をくみ上げました。もちろん正面のCRTを置く台は従来のテーブルよりずっと低い位置に設置しました。グレアシールドもアングル材で保持するようにしました。コパイ席まで作るように考えています。ここでひとつ問題がありました。CHヨークを固定する場所がなくなったのです。ちょうどそのころフロアスタンド型のJetLinerヨークが一般に出回りだしていました。意を決して、インタークラフトに注文。後日大きな(棺おけのような)箱に入った重いヨークが届きました。このヨークはさすがにすばらしい出来です。なんといってもその操作の「重さ」が秀逸です。金属製ヨークの冷たさとあいまって実機に近い感触です。また、インタークラフトさんから「紙レータ」の試作品をいただきました。これは747−400コクピットのパネルをオーバーヘッドパネルまで含めてすべて実寸大で印刷したものです。いただいたのは試作品のため、A3用紙にカラー印刷されたものでした。これをパネルごとにカッターで切って片面粘着テープ付のスチロール板に貼り付けたところ、けっこうしっかりしたパネルができました。これの正面パネル部分を試しにダンボール板に貼り付けたところ、結構いい感じ。そこでPFD,ND,EICASの表示部分のダンボールを切り抜き、スモークアクリル板をつけたところ、ちょうどうまい具合に19インチでPFD,NDを表示することができました。あとは残りの小さなパネルを両面テープでダンボールに貼り付けると、即席で正面パネルのできあがり。組み立てていたアングル台に貼り付けたところ、ちょうどうまい具合にコクピットが完成しました。イスもやっと新しいイスに新調し、キャプテン席に座ってみるとなかなか快感です。これで実寸大のコクピットが出現しました。調子に乗って、仕事用に買っっていた液プロで正面風景を映してみました。やっとここまできたかという感慨がこみあげてきます。
 
(以上2000年10月1日追加)
 

グレアーシールド作り直し

 
[2001年5月14日 追加] 

 正面パネルまで実寸大で組んでしまうと、今までのグレアシールド部分が少し小さく、かつ、コパイ側までは作っていないため、アンバランスとなってきました。CSIというカナダの会社で747−400用のMCP部分のパネルが販売されています。これは薄いパネルですが、バックライトも可能となっています。第一世代のグレアシールド作成時にもかなりバックライトに挑戦したのですが、未完成で放置していました。「すべてを自作で作る」というポリシーには反しますが、このパネルを使ってグレアシールド部分を全面的に作り替えることにしました。もちろん、中の基板などはそのまま使えますから、一から作ることを思えばまだ簡単です。

 この際、数字LED表示も赤色に変えました。本来は白色ですが、ナイトクルーズでは赤色の照明のために数値も赤く光って見えます。パネルのバックライトもつけますから、ナイトクルーズを中心に考えて赤色にしたのです。幸い、ここでも5連の7segLEDが重宝しました。このCSIのパネルは柔らかく、枠組みの補強が必要でしたが、無事完成しました。やはり実寸大というのは気持ちがいいです。

 実機のMCPパネルでは天井部分の黒いところには照明も入っているし、曲面部分もあり、どうしようかと迷った結果、アクリル板を使い、その中にLEDアレイを内蔵することにしました。なだらかな曲面もあるアクリル板を曲げてある程度満足できるものができました。夜間飛行の時のパネル照明は非常に満足できるものができました。つまみ照明用のLEDアレイはレオスタット(抵抗器)で、バックライトの照明はパワーコントローラーで調光可能としています。将来はこの調光用のつまみをオーバーヘッドパネルや正面パネルの中に埋め込む予定です。

 段ボールでつくっていた正面パネルもついでに木枠で作り直しました。表面はアクリル板で置き換えていきました。小さなスイッチパネルやギアレバーパネルは別の会社のパネルを注文してみました。これもなかなか良いのですが、色が微妙に違うのこともあり、近く自分で作り直す予定です。正面パネルの両翼にあるロータリースイッチパネルは自作しました。他のパネルがバックライト仕様であるため、何とかバックライトを実現出来ないかと思案し、グッドアイデアがでました。ローランド社からSTIKAというカッティングマシンが比較的安価で売られています。ポスターなどの文字を切り抜く機器です。これでパネルの文字を切り抜くのです。満足できるものができました。
 これからは少しずつ正面パネルを自作パネルで置き換えていく予定です。

(以上2001年5月14日追加)
 

[2001年7月11日 追加] 

 グレアシールドの左右のひさしの部分を作りました。このななめのカットができると、グンとコクピットらしくなります。以前から早く作りたいなと思っていた部分です。横のサイドパネルもカッティングプロッターを使って、バックライトし様のパネルにすることができました。この写真のアングルこそ、私が実現したかったショットです。2年前、初めて747-400のコクピットにお邪魔したとき、グレアシールドとPFD,NDなどのディスプレイとの立体感にぞくっとしました。2年後に自分のコクピットにこの立体感を実現させることができ、感無量です。ギアレバーパネルはまだ完成していません。
 

(以上2001年7月11日追加)
 

[20021年12月7日 追加] 

 いよいよ正面風景を念願のプロジェクターによる80インチスクリーンにしました。スペースの関係で、運行するときのみ天井付近にセットします。やはり大きいということはいいことです。同じ正面風景をみているのにリアリティが全く違います。わずかな姿勢の変化も敏感に感じ取れ、操縦がうまくなったような気になります。やはり操縦はパイロットの視野をできるだけ広く使うことだと実感します。1024x768ドットの解像度ですが、充分実用になります。

 正面左右のセレクターパネルなどはカッティングプロッターを使った自作パネルで、バックライトもつけられるように設計していました。今回、念願のバックライトを実際につけました。つけ方はいたっておおまか。市販の夜間デコレーション用のランプを買ってきてパネルの裏に適当に配置。調光器を入れて100VACに接続しました。結果はなかなかグッド。夜間飛行がさらに楽しくなりました。やはり「光り物」は良いです。

 写真ではまだ変更していませんが、ギアレバーパネルも新たに自作。現在キャプテン、コパイ用のCDUパネルも作成中です。これはキーがすべてバックライト仕様! 現在ほぼ完成し、2台作るのにすでに20時間程度費やしています。

 さらに、、、、、、今全く新しい段階に突入し、あるプロジェクトが進行中です。。。。。
 
 

(以上2002年12月7日追加)
 

グッドラック!!とその後 

 
[2005年3月30日 追加] 

 2002年に新たに進行していたプロジェクトとは、、、、、私の自作コクピットがテレビドラマ「グッドラック!!」に出演することになったのです。この顛末の一部はインタークラフト社のマイクロフライトマガジンの中でご紹介しました。急遽、作りかけていたCDUパネルをバックライト仕様にして仕上げました。2002年11月に私のコクピットはTBSの緑山スタジオに運び込まれていきました。スタジオで内装、座席などが新たに作成され、私の自作部分と合体され、立派なコクピットができあがりました。ドラマの方はキムタク人気もあり、高視聴率をマークしました。私も2回スタジオにお邪魔し、貴重な体験ができました。
2003年3月末にコクピットが自宅に戻ってきました。撮影に使われた座席やオーバーヘッドパネルと共に。
とりあえず自宅の元の場所に戻しました。コパイ席にも撮影に使われたダミーのヨークハンドルを設置し、座席も2シート仕様にするとグットと立派に見えるようになりました。オーバーヘッドパネルの配線はまだ全く手付かずの状態でしたが、せめてエンジンスタートだけでもちゃんと動くようにしたいと思い、オーバーヘッドパネルの一部だけ配線を追加しました。これでエンジンスタートの時に、オーバーヘッドパネルのエンジンスターターノブを引く動作ができるようになりました。ライトスイッチの一部も動作できるようになりました。
正面パネルの2つのEIAS画面は9インチのCRTを使っていました。このクラスのCRTは値段のわりに解像度が悪く、細かい文字が判読しにくい状態でした。これを10インチのTFTに置き換えました。これで画面表示が大変クリアになり、満足です。ただ、TFTはCRTよりも視野角が狭く、黒の部分が浮き上がる欠点があります。パイロット正面のPFD,NDは当分今のままのCRTでいこうと思っています。

グラスコクピットの画面表示などを行なうProject Magentaのアプリケーション群にオーバーヘッドパネルの機能をシミュレートするアプリケーション(PMsystems)が発売されました。さっそくこれを購入。これと、自作コクピットのオーバーヘッドパネルにあるスイッチやLEDを連動させれば、"Cold and dark cockpit"の状態からまずバッテリーON、続いてAPUエンジンスタートと、一連の操作を体験できることがわかりました。あとは実際にスイッチやLEDを配線するだけ。といっても、この配線が大変なのですが、、、、、。いつになることやら。


(以上2005年3月30日追加)
 

NHK 熱中時間で紹介される
 NHKのBSで放送されている「熱中時間 〜忙中趣味あり〜」から出演依頼がありました。コクピット中心の撮影で、まあ私は後ろ姿程度の撮影ということで了承。2005年3月に撮影に来られました。コクピットはハイビジョンカメラでかなりいろな角度から撮影していただきました。大阪関西離陸から大阪伊丹までの一連の操作も撮影。着陸も不本意ながら何とか成功。ただ、予想に反してインタビューもいろいろ用意されており、挙げ句の果てに玄関で仁王立ちしている姿をカメラでなめ回すように撮られてしまいました(^^;)。放送はいろいろな事情で延び延びになり、9月末になりました。番組の最後の方で5分程度の紹介でした。オートパイロットのつまみをグリグリ回しているショットがなかったのが少し残念でしたが、他はうまくまとめていただいていました。それにしても自分の姿を見るのは気恥ずかしい、、、、、、、

Phidgets

 多忙のため工作の方はあいかわらず進まず。でも構想だけはふくらましています。オーバーヘッドパネル用のPMsystemsとのインターフェースには古いISA版のEPICを使おうと思っていましたが、いろいろな条件を考慮して、Phidgetsというインターフェースを新たに購入することにしました。これはUSBケーブルで接続でき、オンオフのインプット、アウトプットの他に、サーボモーターも簡単に動かすことが出来ます。また、LEDに関しては、一つの基板で64コものLEDを抵抗を外付けすることなく点灯させることが出来ます。明るさも調節できます。これは表示の多いオーバーヘッドパネル用に最適です。その上、PMsystemsもPhidgetsを正式にサポートするようになりました。サーボ機構は将来、アナログスタンバイゲージにも使えそう。

 オーバーヘッドパネルはFlight Deck Solutions社(以下FDS)のパネルを使ってグッドラック!!出演時に急遽作られたものですが、少し不満がありました。バックライト照明をしたときは良いのですが、明るいところで見ると白色のレタリングがあまりはっきりしません。いっそこの際、正面パネルと同じようにすべて自作しようかと考えていましたが、たまたまFDS社のホームページを見ると、プロ仕様のパネルが新発売になっていました。これは私の要求を満たしていると思いました。かなり高価でしたが、おもいきって注文。2ヶ月近くたってから送られてきました。しかし待っただけののことはあります。一見本物?と見間違うくらいの仕上がりです。文字なども真っ白で、くっきりと見えます。これに合うスイッチも購入しましたが、これも満足できるものでした。一つのスイッチに2つのLEDを入れることが出来ます。まさにオーバーヘッドパネルにうってつけのスイッチです。また、多くのスイッチ用の四角い穴をパネルに空けなくて良いだけっでも大助かりです。穴あけの精度も非常に高いです。on表示などにつかわれる白色LEDも大量に入っていたのには驚きました。

WindowsXP+ギガビット化

 今までは100baseTとWindows98SEを中心にネットワークを組んでいました。しかし、時々WideClientがハングアップしたりして、不安定でした。FSも高度になってきてWindowsXPの時代ですので、思い切ってWindowsXPとギガビットLANに移行することにしました。
CPUはAthlon64 x2にしました。予想よりも簡単にXP+ギガビットLAN化できました。XPになって一番ありがたかったのは、複数のディスプレイでアクセラレータが働くことです。おかげでパソコンの構成を簡略化出来そうです。

(以上2005年10月30日追加)




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